パナジェッツ
アーモンドポテトの焼き菓子
パナジェッツ(panellets)は、諸聖人の日(11/1)にあわせて食べられているスペイン・カタルーニャ地方の祝い菓子です。マサパンに似ていますが、さつまいもが入るのでマイルドな味わい。定番の松の実の他、ココナッツとコーヒー味を作ってみました。
材料
【24個分】
- アーモンドプードル……100g
- グラニュー糖……60g
- さつまいも……120g
- レモンの皮……1/4個分
- 松の実……50g
- ココナッツフレーク……20g
- インスタントコーヒー(粉末)…… 小さじ1/2
- 卵……1個
作り方
- さつまいもは茹でるか蒸すかして皮をむき、つぶす。
- さつまいもが熱いうちにグラニュー糖を入れて混ぜ、クリーム状になったら、アーモンドプードルも加えて混ぜる。(粘土ぐらいのかたさになる。それよりかたいようなら、とき卵をほんの少し加える。やわらかいようなら、冷蔵庫で冷やして扱いやすくする)
- 生地がまとまったら、1/3だけ別にとりインスタントコーヒーをまぜ、残りの2/3にはレモンの表皮の黄色い部分をすりおろして混ぜる。それぞれの生地をラップに包んで、30分ほど冷蔵庫で休ませる。
- コーヒー味の生地は8等分にして、真ん中をへこませた楕円にし、中央に竹串を使って筋をつけて、コーヒー豆の形にする。
- レモン風味の生地は、16等分にして、卵白をつけ、ココナッツをまぶしたものと、松の実をまぶして卵黄を塗ったものを作る。
- 180度のオーブンで、10分ほど焼いて焼き色をつける。
ポイント&ヒント
生地を握りながら、まぶす
松の実やココナッツフレークをつけるときは、生地を軽く握るようにしてまぶすと、うまくつきます。
松の実のコーティング
松の実をまぶした後のコーティングは、卵黄の他、全卵でもかまいませんし、なにも塗らずに焼くこともあります。
さつまいもでも、じゃがいもでも
本来はアーモンドプードルだけで作られていたようで、さつまいもを入れるのはかさを増すため。さつまいもの他、じゃがいもでもおいしく出来ます。
じゃがいもの場合は、砂糖を心持ち多めにします。(じゃがいも120gの場合は、グラニュー糖70g)いずれにしても、本場スペインのパナジェッツよりも、甘さ控えめの分量です。
アーモンドプードル、できればマルコナ種で
アーモンドプードル(粉)は、スペインのマルコナ種で作ると、風味がよくコクが出てさらにおいしく出来上がります。
アレンジさまざま
パナジェッツの定番は松の実をまぶしたものですが、ココア味にしたり、シナモン風味にしたり、チョコレートをかけたり、アーモンドやドライフルーツをのせたり、色々なアレンジで楽しめるお菓子です。
カスタニャーダに食べるお菓子「パナジェッツ」
「パナジェッツ」はカタルーニャのハロウィンの日「カスタニャーダ」(10/31)に食べるお菓子です。
かつてカタルーニャ地方では、日本でいうお盆のような日「諸聖人の日」の前日に、一晩中鐘をついて死者を弔う習慣があり、鐘をつく人たちの体力をつけるため、栗(カスターニャ)やさつまいもが食べられていました。そのようなことから、この日を「カスタニャーダ」と呼ぶようになったそうです。
カスタニャーダには、家族や友人たちが集まって、甘いワイン「モスカテル」を飲みながら栗やパナジェッツなどを食べます。
ちなみに、カタルーニャ以外の地方では、聖人の骨(Huesos de Santo)というお菓子だったり、メリダでは「caldereta」(煮込み料理)を食べたりもするそうです。
(参考:2012年「テレビでスペイン語」より)