セニョーラ・あ〜の気ままな食卓

スペインのクリスマスと「3人の王様」【1】

2019年11月22日 更新 2008年 公開

■■■目次■■■

【TOP】はじめに

【1】クリスマスの期間と行事

【2】スペインのクリスマス菓子

【3】おはなし「3人の王様」

■■■■■■■■

【1】スペインのクリスマス期間と行事

11月末ごろ

街はクリスマスの飾り付け華やぎ始め、それは年明けの1月6日レジェス・マゴス(Reyes Magos)の日まで続きます。 では、その様子を追ってみましょう。

クリスマスの街

▲ バルセロナのデパートのイルミネーション

12月になると…

街は電飾でかざられ、広場にはクリスマスの飾りを売る市がたちます。スペインでのクリスマスの装飾というと、ベレン人形です。キリストが馬小屋で生まれた様子を人形たちで再現するのです。ベレンとはスペイン語でイエスが生まれたベツレヘムのことを言いますが、この人形飾りのこともベレンと呼ばれています。

カテドラルの前の市場

▲ バルセロナ・カテドラル前の広場の市場

ベレン人形

▲ 広場に飾られたキリスト誕生シーン

ベレン人形は、公共の広場や学校、教会、病院、企業のロビーやお店のショーウインドウといたるところに飾られます。家庭でも居間やダイニングルームなどに飾るのですが、それはさながらキリストご生誕のミニ劇場。

馬小屋に聖母マリアと聖ヨセフを置いておき、12月25日にイエス、3人の王様人形は、離れた場所から毎日少しずつイエスに近づけていくというお宅もあるようです。カタルーニャ地方に限っては、カガネーとよばれるうんち人形もあります。

カガネー

▲ カガネー。豊穣を願う意味もあるとか。

12月24日

家族で集まって、鯛のオーブン焼きや七面鳥の丸焼きなど豪華な食事でお祝いします。ここでは、クリスマスケーキではなく、トゥロンやマサパン、ポルボロンといったお菓子が用意されます。食後はクリスマスの歌(ビジャンシーコ)を歌い、深夜はミサ。翌25日の昼食もクリスマスにちなんだ食事をします。

12月31日

1人12粒のぶどうを用意しておいて、夜12時から新年にかけて鳴る鐘の音に合わせ12粒食べきると、願い事が叶うという風習もあります。

1月5日、6日

そして最後にして最大のイベントが1月6日のレジェス・マゴス(東方の三博士)の日です。クリスマスプレゼントは、サンタクロース(パパ・ノエル)ではなく、このレジェス・マゴスが運んでくるものとされています。 1月5日は前夜祭として、夕方から三人の王さまの華やかなパレードがあり、飴をふりまきながら、大通りをねり歩きます。

その晩、子ども達にはプレゼントが届きます(親が用意します)。良い子には希望どおりのものが届きますが、悪い子だったら、炭のかけらになってしまいます。(この時期は、炭の形をした砂糖菓子も売られています)

翌6日には「ロスコン」というリング状の菓子パンを食べます。中には、ソプレサ(sorpresa=驚かせる物)が入っていて、これに当たった人は幸運が訪れると言われています。そら豆入りというのもあって、それに該当した人はロスコンの代金を払うというバツゲームで楽しむ人たちもいます。

最近では、24日にサンタクロースもやってきて、2回プレゼントをもらう子どももいるそうです。

※3人の王さまは、スペイン語でレジェス・マゴス(Los Reyes Magos)。東方の三博士(または三賢人、三博士、三賢士)と同義です。

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